2018.07.18
声のかけ方や話し方
声がけのコツを紹介!
介護の声がけとは
介護をするお年寄りの中には認知症や視覚障害などを患っている人もいるため、声をかける際はそれぞれの特性によって対応を変えるようにしましょう。
まずは認知症の人に対してですが、認知症は物の名前が思い出せない、数分前のことが思い出せないといった軽度のものから、人を疑ったり妄想が起きたりといった中度のもの、言葉を完全に話さなくなる重度のものまでさまざまですが、これは脳の萎縮によって記憶障害が起こっているからだと考えられています。認知症のほとんどの人が、自分がどこにいるのか、誰と話しているのかわかっていないことが多く常に不安を感じているため、声がけを行うときは「安心を与えるために」行っていることを心がけて声をかけるようにしましょう。そのためには「ゆっくりと笑顔で話しかける」「話しかけている理由を説明する」「不安に思う原因を聞きその気持ちに寄り添う」「言葉だけでなく感情でも気持ちが伝わるように話しかける」「手を握るなどのスキンシップを取り入れる」が効果的です。
次に視覚障害の人への対応ですが、視覚障害の人にとって情報を受け取る手段は言葉のみです。そのため、なるべくわかりやすいように「あれ」「それ」などの抽象的な言葉は避け、具体的に話すようにしましょう。また、いきなり話しかけると驚かせてしまうためまずは正面を向いて気配を感じ取ってもらい、ゆっくりと声をかけるようにしましょう。また、視覚障害の人と話すときはラジオを参考にして話すといいでしょう。ラジオは視覚情報がなく、伝えられる言葉のみで判断しなければなりません。どうやったらわかりやすく伝わるか、ラジオから研究してみましょう。
話し方の基本とは
会話でコミュニケーションをとる場合は話し方にも注意が必要です。話す内容はもちろんですが、話し方を工夫することで相手に好印象を与えることができます。「ありがとう」と一言伝えるだけでも、大きな声ではっきり話すのと小さな声でボソボソと話すのでは、相手の受け取る印象も大きく異なります。心がこもっていることを正しく伝えるためにも、まずは「抑揚に」に留意しましょう。ただ言葉を発するのではなく、音の強弱や長短、高揚などの抑揚をつけながら話すと気持ちを伝えやすくなります。
また、「ありがとう」と伝える際に、笑顔で伝えるのと無表情で伝えるのとではやはり笑顔の方が正しく伝えることができるのではないでしょうか。正しく伝えるためには言葉の抑揚だけでなく、言葉の内容と表情を一致させることも重要なのです。
「声がけ」をもっと学びたいなら
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介護現場で使えるコミュニケーション便利帖
介護現場を知り尽くした筆者が場面ごとの対応方法や関わり方を詳しく解説しているだけでなく、参考にしたい声がけ技法もたくさん紹介されています。
この書籍では、お年寄りが食事をしたがらない場合はどうするのか。まずは食べない理由を考え、その理由にそって声がけをする、といったように状況や時系列に応じた実践的な対応を学ぶことができます。読みやすいよう挿絵も多くなっているので、介護が経験が少ない人にもおすすめの一冊です。