2018.07.16
傾聴の方法やコツ
傾聴のコツを紹介!
傾聴とは
簡単にいってしまえば「お年寄りの話に耳を傾けて聴くこと」ですが、ただ話を聞くだけなら誰にでもできます。介護においての傾聴はただ話を聞くだけでなく、「話に耳を傾けながら、相手の表情や態度をよく観察して相手に共感しながら聴くこと」を指します。つまり、相手の感情を受け止める「共感」とありのままを受け入れる「受容」、そして悩みや不安をもっているお年寄りに対して「私も」と共感する「指示」を大切にしながら、話に耳を傾けることです。ただし、このとき気を付けなければいけないのが「かわいそう」と同情の気持ちで接することや「でも」と相手の話を否定することです。
難聴の場合はどうする?
年を重ねていくと身軽に動くことができなくなったり免疫力が落ちて病気になりやすかったりと身体にさまざまな不調が生じますが、難聴もそのひとつです。難聴の症状があると、どうしても話が聞き取りにくくなってしまうためコミュニケーションを上手くとれないことが多くなります。しかし、話が上手く聞きとれなかったとしても、表情や態度などで気持ちを汲みとることができます。
傾聴を行う場合、介護職員は相手の話に「うんうん」と共感しながら聴き手に回るのが基本ですが、難聴の人が相手の場合は上手く伝わっているか不安に感じていることもあるため、会話の中で「意思疎通ができているから大丈夫ですよ」と安心感を与えることを心がけておきましょう。
認知症の場合はどうする?
認知症の特徴のひとつに「何度も同じことを繰り返す」ことがあります。そのため、話をしていると同じ話を何度も聞かされることがありますが、だからといって「その話は何回も聞きましたよ」と伝えてしまうと相手を否定してしまうことになるため、何回も聞いたことがある話だとしても、毎回、初めて聞くときと同じように親身になって聞くようにしましょう。決して否定してはいけません。また、認知症は記憶があいまいになってしまう傾向があるため、自分の年齢がわからず若い頃の自分だと思い込んだり、身内と他者の違いがわからなくなったりすることがあります。ですが、この場合も「違いますよ」と否定するのではなく、「うんうん」と相槌を打って共感しながら話を聞くようにしましょう。その際に、職員を家族や友人と思い込んで話をしているのであれば、その人物になりきって話を聞いて受け答えをするようにしましょう。
傾聴は安らぎを与える
話をよく聞いて共感してもらうことは精神的な苦痛を取り除いてもくれるため、傾聴は介護には欠かすことができません。高齢になると体の自由がきかないばかりか、他人の手を借りなければ生活していけない、伝えたいことも上手く伝えることができない、といったように自分の力だけではままならないことにストレスをため込んでしまうことがあります。その際に話を親身に聞いてくれればストレスを軽減することができますが、反対に話に耳を傾けてくれなければますます不安と孤独を深めてしまい、老化の加速にも拍車がかかってしまいます。このような状況にならないためにも傾聴を行って精神的な安らぎを与えることが必要なのです。
傾聴は笑顔で行おう
傾聴を行う際は笑顔で受け答えするように心がけましょう。傾聴は親身になって会話に耳を傾けていますが、親身になっているのは介護職員だけではありません。親身になって聞いているうちにお年寄りもこちらの話を目や心で感じるようになります。そのため、親身になって話を聞いていてもちょっとした動作や表情、声のトーンで相手を不快にさせてしまう可能性があります。受け答えだけでなく、身振り手振りにも気をつけて行うようにしましょう。